2013/01/21

A Selection of Snapshots Taken by Felix Gonzales-Torres (A.R.T.Press,2010)





キューバ生まれのアーティスト、フェリックス・ゴンザレス=トレスが、1990から、亡くなる直前の1995年までの間に撮影したスナップショットを、彼の没後、知人・友人たちから集めて編集された作品集。

フィルムで撮影された日常の風景は、記憶の中に入り込んだようで他人のものなのに懐かしいし、早すぎた彼の急逝を思うと切なく見える。プリントの裏に書かれたメモや誰かに宛てたノートも、散文のよう。

愛猫、愛犬、チャーリー・ブラウンの人形、ミッドセンチュリーの家具、花、作品のインスタレーション風景。何もかもが延長線上に存在した。切実な祈りのようなもの。

ところで90年代の写真を思春期に通過した私たちにとっては、フィルムの甘く色あせたイメージそのものに、どうしたって心を動かされる。それから逃れることは多分できない。




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