2010年のBrighton Photo Festivalに招待されたアメリカ人写真家のアレック・ソスは、ロンドンの空港の税関で、就労ビザがないために、入国は出来るが写真は一切撮影を禁ずること、撮影している現場を押さえられた場合には罰金と禁固二年の刑に処せられる旨を告げられる。(写真家はしばしば、社会的に怪しいやつと判断されるのだ)
すっかりやる気をなくした彼は、同行していた自分の娘・カルメン(7歳)にカメラを持たせる。こうして彼は自らが撮影することなく、フェスティバルのコミッション・ワークを完成させる。結局カルメンが撮影した写真が、展覧会場を飾ることになった。本書はその図録にあたる。
彼女が推定120cmくらいから見たブライトンの街、人、現象や生き物(ワンちゃん)が素晴らしく良い。写真も、すごく上手い。編集はおそらくソスがしていて、ブライトンという街の優しさが伝わる本に仕上がっている。ピンクの表紙や彼女の筆跡、ポートレートが少女らしい愛らしさを演出していて、ちょっとズルい。くらい可愛い。
2010年のBrighton Photo Festivalではソスの他にスティーブン・ギルと川内倫子さんが招待されていた。それぞれの街に対するアプローチをそれぞれの図録で見ると、面白い。
マーティン・パー風!
↓
ロー・エスリッジ風!
↓
視点が低いのがいい。
↓
「読者の皆さんへ
本当に私が全部撮ったんだから!
カルメンより」
というステイトメント付き。
↓
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