2012/12/25

ICY PROSPECTS : Jorma Puranen (HATJE CANTZ, 2009)




Jorma Puranenは1951年生まれ、Helsinki Schoolの第1世代の代表的作家。北極圏の文化(探検や伝説など)をテーマに、写真と絵画の関係性について問いかける(しかもとても美しい!)作品を多く制作している。この「Icy Prospects」は2005-2006年にかけて制作された作品。一件油絵に見えるこの作品は、板に黒い樹脂を塗り、それに冬の風景を反射させ、それを撮影しているというもの。絵画を絵画たらしめるものはストローク(絵筆の跡)か?それとも描き込まれている光景か?「これは絵画である」とパッとみて認識する私たちの知覚とは?など色々問題提起してくる挑発的な作品なのだけど、とにかく息をのむほど美しい写真の連続で、ページをめくるごとに甘美なため息すら出る。一筆一筆に感情を込めた「絵画」でないゆえに、叙情的ではない客観性を与えていて、それもとても心地いい。

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