ゲルハルト・リヒターが1961年に東ドイツを去ってから1995年までに集積、または記録してきた膨大な量のイメージをグルーピングし体系立て、パネル化した作品を750点あまり収録。日本では2001年に河村記念美術館で本作品の展覧会が開催された。
ペインティングのための素材と思われる写真、ホロコーストの写真、印刷媒体の切り抜き、ファウンド・フォト、そして妻、子供、家族の写真。
個人の物語と集団の物語が全てが並列され、なんの価値付けもされず、冷酷なまでに徹底的に『見る』ことで出来上がる壮大なイメージの貯蔵庫を見ているよう。いや、貯蔵庫ではない。脳の中というには現在形すぎて、アーカイブというには時系列すぎる、もっと既存の縮尺で測れない多次元に広がるもの。『Atlas』は『世界地図』と一般に訳されるが、ここではその言葉は有効ではない気がする。既存の言葉で代用するのが難しい、Atlasという言葉でしか表現できない巨大な何か。現代最高峰の画家のそれについて少しだけ、でも全てではないけど、見ることができる写真集。
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